【ホームセンターは新型コロナが追い風に!?】DCMホールディングス企業研究を通してわかったことをまとめてみた。2020/05/06/水曜日
現在、新型コロナによる経済的打撃はすさまじいものとなっている。
特に飲食業界など壊滅寸前だ。
消費者の消費活動が増えたにもかかわらずセブンイレブンやイオンなどの小売店も売り上げを減らしている。
しかしホームセンターは違う。
木材、ガーデニング、工具から家電、食品と幅広い商品を取り揃えているホームセンターは自粛ムードの中でひと際人々が集まっている。
それはなぜか?“我々の必要とするものが全てある”からだ!
自粛ムードの中、飲食店は時短営業、小売店は一部のフロアを閉めるなど制限がかかっている。
しかし、ホームセンターはその絶対的な必要性から何一つ制限がかかっていないのだ。
就職活動で日本1の売り上げ規模を誇るホームセンターであるDCMホールディングスの選考を受けている私がDCMのIR情報をもとにホームセンターの展望についてお話していこうと思う。企業研究の参考にしてもらえれば幸いだ。
引用:DCM IR情報
DCMとは
DCMカーマ、DCMダイキ、DCMホーマック、DCMサンワ、DCMくろがねやを傘下に持つホールディングス会社である。
ここ3年を通して1年平均売り上げは4000億円を達成しており、利益も200億円を計上している(2018~2020)。
店舗数はDCMカーマが167店舗、DCMダイキが155店舗、DCMホーマックが297店舗、DCMサンワが32店舗、DCMくろがねやが22店舗と計673店舗を全国に展開し売り上げ店舗数共に国内最大規模を持っている。
主力商品
・園芸
DCMが開発した「水で膨らむ土のう袋」や園芸バリカンと刈払機の人気が高い。
「水で膨らむ土のう袋」は地震、豪雨の災害時に店舗、住宅の浸水、土砂の流入を防いでくれるだけではなく、コンパクトに保管できるので災害意識が高まる日本で需要が増えている。
・電動工具
東日本大震災や熊本大地震の復興による反動でホームインプルーブメントの必要性がなくなったため建築資材や防災用品の売り上げが低くなっている。
しかし、DCMブランドの電動工具の品揃えを強化したことで幅広いニーズに応えることを可能にしたので電動工具の売り上げは伸びている。
・ペット用品
増税による駆け込み需要から反動でレジャー用品の売り上げは下がっているが、安価なDCMブランドのペットフード、おもちゃの品揃え強化により売り上げは好調である。
・ハウスキーピング(カイロや殺虫剤など消耗品)
価格訴求型からお客様のニーズに応える提案型に売り方を変えたため売り上げは落ちてきているが高い利益率を生み出している。※2019年売り上げ1048億円(前年同比98%)
・ホームエレクトロニクス
災害時の需要の反動からカセットコンロや電池などの売り上げは低下した。しかし増税前の駆け込み需要で空調機器や調理家電などの売り上げは伸びている。※2019年売り上げ453億円(前年同比97%)
CSRの取り組み
CSR(Corporate Social Responsibility略)
※CSRとは企業は利益を追求するだけではなく消費者や投資家の社会、環境などの分野の変化に適応し市場形成と価値創造につとめ、より良い社会を実現していくことである。
DCMホールディングスはCSRの取り組みを他企業に先駆け幅広く行っている。全てを紹介すると終わりがないので3つ紹介する。
・DIY普及活動の推進
多くのお客様にモノづくりの楽しさを伝えるために昨年は92回のイベントを開催した。2500名ものお客様が参加し、日本のDIY普及に貢献した。
・防災意識の向上
DCMでは各店舗を通して地域の防災意識の向上を目指している。特にDCMダイキは自然災害に備えるセミナーを愛媛県で定期的に開催しており防災啓発、応急手当などの講座を開いている。
・植樹活動
DCMホーマックは社会貢献活動として千葉県横芝光街で2007年から植樹活動をしている。
DCMホールディングスは他にも幅広い活動をしているので気になった方はDCMのHPをチェックして欲しい↓↓
※DCMホームページ
EC事業への参入
DCMはDCMオンラインにより店舗にいかなくても商品を提供できるようにした。
Amazonや楽天市場の台頭により店舗販売の必要性が低下しているため、時代の流れに乗ることでホームセンターの生き残りを図っている。
※引用 DCMオンライン
流通変革
DCMはICT活用による流通の変革を行っている。RPAを使った商品の改革から購買データの分析を行い仕入れを行うと同時に、
国内にある5つの流通倉庫と海外の工場との連携を強め商品の生産、流通、販売を一貫して行いコスト削減を行っている。
今後
新型コロナの影響でDCMをはじめホームセンターの売り上げは伸びており特需景気のようだ。
しかし、需要があっても中国や東南アジアの工場から仕入れができておらず供給が追い付いていない。
DCMは需要に供給を追いつかせるため国内の工場の稼働を増やしているが海外生産と比べコストがかかってしまうのが現状だ。
また新型コロナ終息後の反動が懸念される。災害や増税による駆け込みのような一時的な売り上げの向上は推測できるが、Amazonによる流通支配、楽天市場の価格訴求によりホームセンターの店舗販促は厳しい状況にあることは変わらない。
ホームセンターとしてDCMはどう生き残るかをより一層考えなければならなくなった。
蛇足
小生は来週DCMホールディングスの最終面接だ。
今日の企業研究をもとにDCMへの想いを伝えられたらと思う